「信じられない」を、「真実の愛」に変えてくれたキミへ

数日後。
昼休みに、文化祭実行委員が、『コンカフェにすると決まりました!』という黒板に書いて、みんなは飛び上がって喜んだ。



「コンカフェなんて、百々葉やったことある?」



頬杖をつきながら、後ろの席で翠が聞いてくる。



「ううん、ない……」



コスプレすらやったことなんてないよ。


うちにはコスプレに使えそうな服なんてないし、買える余裕だってなさそうだし、どう用意するんだろう……。



「翠は、どんなのにするか決めたの?」



「あたし? これかな」



翠はそう言って、スマホに衣装の写真を見せた。


いわゆるゴスロリ系。
黒と白のフリルや、青いリボンがたっぷりついていて、可愛さもかっこよさも持ち合わせていて、翠にすごくよく似合いそう。



「もしかして、翠の家にはこんなのあるの?」



「違う違う、今日の学校帰りに買いに行くの」



「そっかぁ……」



でも、こんなに可愛い服なんだもん。
きっと高いよね……。



「安心して、百々葉」



「え?」



「これ、買うために百々葉も今日ついてきて!」



「えっ!? えっと……うん……」



わたしは、思わず小さく頷いてしまった。




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