最強総長の愛するボディガード
「私が絶対に、蒼凰さんを危険からお守りします!」
そう言うと、弥生さんは安心したような、優しい笑顔を浮かべて。
「うん、ありがとう。……あれ、思ったより話すこと無かったな……じゃあずっとここにいてもなんだし、蒼凰、涼宮さんに部屋を案内してあげて」
「分かった。行こう、心羽ちゃん」
心羽ちゃん……!?
男性慣れしてないから、すぐ顔が赤くなってしまう……っ
「は、はいっ」
私は内心とても動揺しながら、これから暫くお世話になるであろうお部屋に蒼凰さんと向かい始めた。
沈黙になり気まずくなってしまうかと思ったら、蒼凰さんが口を開いて。
「心羽ちゃんって、なんでボディガードやってるの?」
「えっと、そういう家なんです」
「あれ?あっ、涼宮って確かに聞いたことあるね。なるほどそういうことか」
「はいっ」
ただそれだけの、短い会話。
でもそこから、壁があるように感じたのは気のせいだろうか。
依頼人はボディガードをつけるくらいなのだから、普段から安心して生活出来ない事情があるのだろう。