最強総長の愛するボディガード
でも、任務を完了出来たかと言われると、全くそうでは無い。
なぜなら、三度に一度くらいのペースで任務に失敗しているから。
それは、毎回決まって瑠奈に原因があった。
私たちが幼い頃から続けてきた努力は、紛れもない本物。
だから、瑠奈も私も護衛対象を危険から守る力を持っている。
でも瑠奈は、面倒くさいという理由で任務に集中しないのだ。
私に「あとよろしく〜」と言ってどこかへ行ったかと思うと、スマートフォンをつついていたり買い物に行っていたり。
必要な情報の伝達もサボるため、安全だと思われる経路を通って移動しようとしても、護衛対象を狙う危険に待ち伏せされていることがある。
その“危険”というのは、依頼人によって様々。
浮気相手だとか元夫だとか、お偉いさんになると暗殺者だったり。
だから、一つのミスで場合によっては命を落とすかもしれないのだ。
瑠奈には任務に集中するよういつも言っているけど、聞いてくれたことは一度もない。
それにいつからか、私に関する事実無根の良くない噂を広めたり、私の物を勝手に捨てたりと、嫌がらせもしてくるようになった。
自分のミスを私のせいにするのも、そのうちの一つなんだと思う。
どうして瑠奈がそんなことをしてくるのか、私には全く思い当たる節が無く、瑠奈に理由を尋ねても答えてくれないから、嫌がらせは終わることを知らず……



初めてミスを私のせいにされたのは、人生で四度目の任務の時。
護衛対象に怪我を負わせてしまったため、私たちはお父様の書斎に呼び出された。



「任務失敗とはどういうことだ!今回の護衛対象は涼宮と長年の付き合いがある家の方だったんだぞ!?」


< 2 / 151 >

この作品をシェア

pagetop