最強総長の愛するボディガード
そう思うと、私は何も言えなくなってしまって。
風邪薬を準備する手も止まった私に呆れたのか、彰人さんは私の手から風邪薬を取って飲み込んだ。
「そんな顔すんな。俺らが可哀想みたいじゃねぇか。俺らはここにいられて幸せなんだよ」
「っ……彰人さん……」
昏のことが大好きなんだなと思っていると、彰人さんがボソッと何かを言って。
「……でいい」
「え?」
「彰人でいい。敬語もやめろ」
「……ええ!?」
何かと思ったら、呼び捨てとタメ語でいいっていうこと!?
突然どうして……
大きな声を上げた私を疑問に思ったのか、彰人さんは尋ねてくる。
「何をそんなに驚いてるんだよ」
何をって……だって彰人さんは……
「女性が苦手だと伺ったのに、そう言って下さったのが不思議で……」