最強総長の愛するボディガード
最初に尋ねてきたのは結斗だった。



「え、彰人……その、大丈夫なの?」
「ああ、心羽ならな」
「心羽!?」



そう大きな声を上げたのは飴奈だ。



「二人、何があったの……?」



結斗のその質問には、答えないでおくことにした。
ただ看病をしてもらっただけで隠すようなことではないけど、何だっていいから、俺と心羽二人だけの秘密を作りたかったのだ。
それと蒼凰への牽制だな。
心羽も、聞いていなかったのか鈍感なのかその質問には答えなかったから、秘密に出来たと、そう思っていたのに。



いよいよ心羽と蒼凰が家へ帰る時となり、心羽を見送ろうとすると。



「心羽ちゃん、先に降りて車乗っててくれる?こっちで少し話したいことがあってさ」



そう言った蒼凰は、最後に一瞬だけ俺の方を見る。



俺か……
まぁ十中八九心羽のことだろうな。

< 51 / 151 >

この作品をシェア

pagetop