最強総長の愛するボディガード



「私、蒼凰さんと……キスしちゃった……っ」



高校一年生の五月。
謎が多いイケメン総長に、ファーストキスを奪われました。



────────



それから一ヶ月。
私と蒼凰さんの間に特に変化は無く、今日も一日いつも通りの日々を過ごそうと、私は学校が終わると昏のアジトへ向かう。
けれど、思い通りにならないのが現実だ。



結斗さんによると蒼凰さんは学校で生徒会に入っているらしく、いつも他の幹部の人たちよりも帰ってくるのが遅い。
だから今日も1005の部屋に入ると、中には結斗さんと彰人しかいなかった。
私はソファに彰人と並んで座る。



「お疲れ様ですっ」
「心羽ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ。心羽、ん」



彰人がそう言って差し出してきたのは、私の大好物であるチョコレートだった。
実は数週間前、彰人が私に好きなものを尋ねてきたから答えたら、それ以来彰人は会う度にこうして私の好きなものをくれるようになったのだ。

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