最強総長の愛するボディガード
「やっぱり肋骨にヒビが入ってました。でも痛みには慣れてるので大丈夫なんです、けど……」
「ボディガードのこと?」
「はい……日常生活が出来るようになるにも一ヶ月かかってしまうそうで……でもこの任務は最後までやり遂げたいんです!無理をしろと言われれば怪我なんて構わずそうしますっ、だから……っ」
「心羽ちゃん落ち着いて、大丈夫だから。怪我も悪化しちゃうよ」



蒼凰さんのその言葉に気付かされ、つい取り乱してしまった自分を深呼吸で落ち着かせる。



「心羽ちゃんは、俺のボディガードをやめさせられると思ってるの?」
「はい……」
「どうして?」



どうしてって、そんなの。



「ただでさえボディガードとしての役目を果たせているのか不安なのに、怪我を負って無能になった私を必要とする人なんていると思えません……っ」



想像よりも蒼凰さんを狙う敵が少ないのもあるけど、私がボディガードとして活躍できている場面は少ない。
そんな私を雇っていたって、私のお給料の分蓮見家の財産は減り続けるばかり。
弥生さんからしたら泥棒同然だ。
なのに雇い続けたいなんてこと……



あるわけないよ……

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