推しはまだ見ぬ2.5次元

 ***


「のんちゃん、またアプリなの?」
 ファーストフード店のイスにもたれかかりながら、美香は呆れたようにため息を吐いた。
 私は息をつめながら、アプリのダウンロード画面に食いついている。
 今日は待ちに待ったアプリの先行配信の日なんだもん。これだけは絶対に譲れない!

「やった、百パーセント! あ~楽しみすぎるっ!」
「あんたね……」

 美香は苦笑しながら私を見た。

「高校生になっても、二次元かぁ」
「……ううん、ちがうよ」


 タイトルコール。


「しいて言えば、二・五次元かな」


 スマホの向こうで、私の推しの声が聞こえた。


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