来る日も来る日もXをして

危険な本気

東雲(しののめ)くんに本気になっちゃった!?」

居酒屋の個室で思わず烏龍茶を吹き出しそうになった。

「そうなんです!自分でもビックリです!」

美彩(みあや)ちゃんはジョッキからビールをぐびぐびと飲んでから話を続ける。

「先週・・・木曜日でしたっけ?朝(すずな)先輩と一緒になって、あの時、(しのぶ)くんと私の関係、わかったと思いますけど。」

「う、うん・・・。」

「先輩だから言いますけど忍くんて、会社での姿は仮の姿なんですよ。あのもっさりヘアもウィッグで実はおしゃれピンクヘアなんです。服装も喋り方も全部、別人なんです。信じられないかもしれないですけど。」

「へっ・・・へえぇ~そうなんだぁ!?それはびっくり仰天・・・。」

───ごめん美彩ちゃん、知ってる・・・。

棒読みで驚きながら心の中で謝った。

「風の強い日に一服した後屋上に出たら忍くんが寝てたんです。風でおでこ全開になってピンクの髪が一筋見えて、こっそり眼鏡とマスク外してみたんです。」

「だ、大胆だね・・・。」

「そしたらまばゆいほどのイケメンで・・・固まって動けなくなっちゃいました。風でスカートまくれ上がってるのも気づかないくらい。そのうち忍くんが目を開けて・・・。」

「!」

「『僕の秘密見たんだからあなたも見せてください。』ってまくれ上がったスカート持って中を見てて・・・その日婚活パーティーあったから勝負下着つけてたんです。」

「ま、まさか、あの東雲くんがそんなこと・・・。」

───ごめん美彩ちゃん、東雲くんはそういうこと言いそうって思ってた・・・。

「私、恥ずかしいのに興奮しちゃって・・・『その下も見てあげましょうか?』って言われたらついつい頷いちゃって。」

「えぇっ!?」

「今思えば忍くんは冗談で言ったんだと思います・・・でもその時は『超イケメンに誘われた!』って勘違いして舞い上がっちゃって婚活パーティーキャンセルして忍くんの家に行っちゃいました。家もすごいんです。現実離れした別世界!超豪華で・・・。」

───ごめん美彩ちゃん、私も行った・・・。
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