来る日も来る日もXをして
───も、もしかして私に言ってる?

「どんな人なのか気になるなぁ。」

「意外に近くにいるかもよ?」

「え?社内の人なの!?誰!?」

───これは!朝の美彩ちゃんの時と同じ展開・・・!じゃあもしかして東雲くんの答えも・・・。

「・・・今夜僕のこと楽しませてくれたら、教えてあげてもいいよ。」

───やっぱり・・・。

「じゃあ、頑張って夜まで我慢する。会社の倉庫で地味な同期男子に恥ずかしいことさせられて・・・みたいなのもしてみたかったけど。」

「・・・そ。」

東雲くんはそっけなく返した。そこで外に出た。

───今日美彩ちゃんと愛来ちゃんが東雲くんの家に行ったら、私と彼の間に何かあったって誤解されてしまう・・・でも東雲くんのことだから相手が私と言わないでもったいぶるかも?いや、事実を歪めて伝えられるってことも・・・。

東雲くんと話したかったのにオフィスに見当たらないし、部のグループメッセージから個人メッセージを送っても未読のままだ。

あんなに私を脅しておきながら明日先輩とのキス動画が拡散されていない様子だったり、彼が何を考えているのかわからない。振り回されて疲れてきた。

今やオフィスに残っているのは私だけだった。自分の仕事は終わったので体調不良で早退した同僚の仕事を代わりにしたり資料整理などをしたりしていた。

今東雲くんは美彩ちゃんと愛来ちゃんどちらと一緒にいるのだろう。私のことはもう伝えたのか。彼女達から特に連絡はないけれど。

───あーもう考えたくない!にしても明日先輩遅いな・・・夕方に帰るって言ってたけど。

メッセージを送ろうとスマホを手にするとちょうど先輩からメッセージが来た。それを見た途端私は慌ててオフィスを飛び出した。
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