来る日も来る日もXをして
「あったかい・・・。」

心の声が無意識に(こぼ)れた。

「え?」

「先輩は温かいです。一緒にいると気持ちがじんわりと温まって柔らかくなるように感じます。」

「・・・そっか。」

明日先輩は噛みしめるようにそう返すともう一度私をぎゅっと抱きしめてきた。

───どうしよう、胸がキュンキュンする。こんな気持ち久しぶり・・・。

「更科は仕事にも人情にも熱くて、すこいな、いいやつだな、って前から思ってた。でも今はなんか・・・自分の中の何かが変わってきてる。芽生えてきてるっていうのかな。今まで女性に対して感じたことのない気持ちを感じるんだ。」

「・・・!?」

───そ、それって・・・もしかして!?

胸のキュンキュンが大合唱になってくる。

「・・・でも、それは急に更科との距離が近くなって触れ合ってもいて、擬似的な気持ちなのかもしれないって思う自分がいるのも正直なところ。」

「そう・・・ですよね。」

それは私も思うところだった。私達は先輩が大人でい続ける為にノルマのキスをしているだけ。このキュンはイミテーション。浸ってはいけないのだと。

「でも俺は、今更科といれて嬉しい。」

「・・・私もです。」

体が少し離された。先輩がじっと見つめてくる。

「今日の分のキスはもうしたけど、もう一回してもいい?」

「・・・この流れで嫌って言うと思います?」

「・・・思わない。」

明日先輩が(ほど)けたように笑う。その綺麗な笑顔は柔らかかったけれど明らかに色づいていた。一瞬だけ唇が触れてからすぐに舌が入ってきて、先輩の熱に耐えられずそのまま布団に倒れる。それでもキスは終わることなく、ますます深く激しく濃厚なものになっていく。先輩の手が私のバスローブの紐にかかった。
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