【設定②】わたしが初めて恋をした話。



 ユミは、四月からうちの事務所で働くことが決まっている。うちの事務所は、この高校出身者が多い。座学の研修は受けなくてもいいので優先的に採用をしている。今年度は、私とユミを含めた四名が内定しているのだ。

「あーなんか緊張する」
「美宙は卒業生代表スピーチがあるもんね」
「そうだよ、胃が痛くなるわ」
「首席卒業なんだから仕方ないでしょ、それにアイドル科の方は美遥くんだし……気楽でいいんじゃない?」
 そうだけど、あの人は人前で何かをするのは慣れてるからいいんだよ。私は、前で話すなんて慣れてないだよ。首席は嬉しいけど、スピーチは拒否したかったなぁ……
 


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