福智先輩とヒロイン
3話、先輩、助けて……
次の日。
私は、ボケーっとしたまま廊下を歩く。
昨日の事が鮮明に覚えてるから。
恋愛を踏み外した絶望に……
「……び、……雅」
「ん?」
私は、声をした方を見た。
そこには1つ上の先輩の福智先輩がいた。
「福智先輩?どうして、ここに?」
「はぁ?お前、大丈夫か」
「へ?何が」
「ここ、俺が居る教室の廊下。お前は、この下」
「え?」
私は、ふと教室のドアをすぐ上を見る。
そこには、〝3〟と書かれていた。
(うわ、まじだ)
「ボケーっと、しててどうしたんだよ」
私は泣いた。
「˚‧º·(´ฅωฅ`)‧º·˚」
「え!ほんと、どうした!ん〜ちょっと来い」
私は、先輩に手首を掴まれて誰もいない空き教室に向かっていった。
空き教室。
「雅、俺の胸貸すから」
私は、先輩の胸の中で号泣した。
落ち着いたのは、それから何分後……
「で?何が、あった」
私は、先輩に事情を話した。
アプリで知り合ったこと。その人に会ったこと。即ホテルに連れられて……その後のことも全然先輩に話した。
「そうか……体は、何もないか」
「……なんとも、言えない」
「そうか」
少しの間の沈黙。
そして、先輩が口を開く。
「雅」
「ん?」
「お前、何やってんだよ!アプリで知り合って即ホテルだぁ?!ふざけんな!それで、妊娠でもなんかの菌が体に入ったらどうすんだよ!
相手も相手だ。そいつの名前は」
「笹木潤一」
「分かった。もう、2度そんな男と会うな!いいな」
「ごめん」
先輩は、優しく私をハグした。
「お前は、ほんと……心配なんだよ」