暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
ダイヤの指輪をはめてもらい、私達は口づけを交わした。

「それからもう一つ、実は報告があるんだ」
少し言いにくそうな創介さんの顔。

「え、何?」
この状況で言われるからにはあまりいいこととは思えないけれど、聞かないわけにはいかない。

「来年の春、じいさんが引退する」
「それって・・・」

「俺が一条コンツェルンを引き継ぐことになる」
「それは・・・」
突然のことで、何ともコメントができない。

「あと数年は伸ばしたかったんだが、この間の圭史の件で弱みを握られて断れなかった」
申し訳ないと頭を下げられると、少なからず関係者でもある私は何も言えない。

「俺と共に生きてくれるか?」
確認する様に私を見下ろす視線。
「はい」
もう、私に迷いはなかった。
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