暴君CEOの溺愛は新米秘書の手に余る~花嫁候補のようですが、謹んでお断りします~
幸せな時間
「おはよう」
「おはよう、随分早いな」

土曜日の朝。
午前7時だというのに身支度を済ませてキッチンに立っている私を、創介は不思議そうに見た。

「今日は朝から出かけるからって言ってあったでしょ」
「ああ、そうか」

最近仕事が忙しくて帰りも遅い創介だから、きっと忘れていたのね。
昨日の夜も午前様だったし、仕方がないのかもしれない。

「朝食はもうすぐできるけれど、お昼はどうするの?何か用意して出た方がいい?」

お休みの日に自分だけが遊びに出るのが申し訳なくて、ついいつも以上に家事をしてしまう。

「いいよ。昼前には一度会社に顔を出そうと思っているんだ。きっと隼人とも一緒になるから、どこかで済ませる」
「そう、じゃあそうして」

私が創介からのプロポーズを受け、共に生きていくことを決心してから半年。
その間に両家の顔合わせが終わり、一か月前からは創介のマンションでの同居も始まった。
最初は、結婚前の同居なんてとためらう気持ちもあったけれど、この春一条コンツェルンの総帥に就任する創介の側にいて少しでもサポートしたいと思う気持ちが強くなり引っ越しを決めた。
さすがに結婚式は準備もありすぐにってわけにはいかないが、今年の秋にはと計画されている。

「午前中は実家にいて、午後から三人で出かけるんだろ?」
「ええ。桃ちゃんがお店を予約してくれて、美愛と一緒に出掛けるのよ」
「そうか、楽しんでおいで」
「うん。ありがとう」

一条家には複雑な思いもあり創介には厳しい桃ちゃんとも、すっかり仲良くなった。
最近では美愛も交えて3人で出かけることも増えている。
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