イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

キョロキョロと当たりを見渡し、手足を動かそうとするが、なにかに縛られていて身動きが取れなくなっている。


手元に目をやると太めの縄で拘束されていた。


周りには黒ずくめの人しかしなくて、柚琉や獅子堂さん、柚月は見当たらなかった。みんなは、どこにいったの……?


柚琉……柚月、助けて……!



「お嬢様。もうすぐで式が始まります。そろそろ準備を方に行きましょう」



縄を解こうともがいていると隣に女の人がやってきて顔をのぞき込む。いつの間にか目の前にいた人は居なくなっていて、ガランとしていた。


メイクの濃い顔のせいか、迫力があって思わず声が出そうになる。



「……式……って、どういうことですか?」


「まだご存知ないんですか?」



ビクビクしながら女の人が言った言葉のことを聞き返す。何も分からないままここに連れ去られたので今から何をされるのかさっぱり分からなくて、怖くてしょうがない。
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