イケメン双子の総長さまは孤独な姫を甘い愛で包み込む。

「はぁ……お嬢様はこれから結婚式をあげて頂きます」


「結婚式……!?」



頷くと大きなため息をつきながらも説明してくれた。だけど彼女からとんでもない言葉が聞こえてきて、思わずオウム返ししてしまう。


結婚式……って、私が?


一体誰と……。


そこまで考えてはっとする。前に柚琉が言っていた。私には婚約者がいるのだと。


もしかして……その人と……?



「いやっ!絶対にいや!今すぐここから出して!」



そこまで考えてパニックに陥る。好きでもない人と結婚なんて嫌だ。ましてや今まで私のことをほったらかしてたくせに、都合よく私を利用する皇賢太の言いなりになんてなりたくない。


私にはちゃんと好きな人がいる。


私は、自分の人生は自分で歩みたい。



「うるさいですよ。もう準備は整っているんです。ほら、面倒なことになる前に行きますよ」


「いやっ、いやぁぁぁ!むぐっ!」
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