別冊・ダブルブルー
…なまごろし…、


ちいさく、胸のうちでつぶやいたはずだったのに、


…は、はい…?…ナマゴロシ、とかおっしゃいました…?


呆然とした青さんの表情、は。


「…ふふふ」


思わず、笑い声が漏れる魅力を持っている。


「ふふふ」


青さんまで、4歩の距離はもどかしくも、いつでもその胸に飛び込んでいい、安心感にみちている。


「そのワンピース、お初だねぇ」


可愛い、可愛い。


青さんが、私の全身を眺めて微笑んだ。






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