別冊・ダブルブルー
「青さんのニット、コーヒーで汚れちゃったから、染み抜きしないと」


起き上がった私を、後ろから抱き締めてくれた青さん。


「いいでしょ。染みがついたまんまで」


後ろから響いた、青さんの声。


…え、でも…


「ニットを見るたんびに、今日のことを思い出すでしょ?いろんなことが、蒼ちゃんと過ごす思い出になる。ニットの染みも、結婚指輪に出来るちいさなキズも、お互いに増えてゆく顔のシワも」


そういうもので、埋めていきたいんだ。


蒼ちゃんとの毎日を、さ。


染みもキズもシワも。


蒼ちゃんと過ごせる証し、だから。


それがすごく、嬉しいの。


ね?ふふふ。


おだやかな笑い声が舞う、このベッドルームで。


今日も明日も明後日も。


増えてゆく、ふたりの思い出に、お揃いのブルーを重ねる。



ブルー×ブルー/7



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