【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
「……あったかい」
宮栄さんの腕の中、あったかい……。
「和音の腕の中も、あったかいよ」
宮栄さんのあったかい腕の中に収められる私は、きっとニヤニヤしているだろう。
だって嬉しいから、顔がほころんでしまうから。
腕の中から離れた私を、宮栄さんはジッと見つめている。
え、なに?そんなに見つめられると、恥ずかしいんだけど……?
そんなことを思っていると、「和音、今からメガネ外すけど、いい?」と聞かれて困惑する。
「え……なんで?」
「いいから、外すよ」
答える間もなくメガネを外される。
「あの、見えないんだけど……」
メガネ外されたら、全然見えないよ……。
「十秒だけ、見えないままでいいんだよ」
「え?それ、どういう……」
それがどういう意味なのか、と問いかけようとした瞬間、私の言葉は何かで遮られてしまう。
その何かは、宮栄さんの唇であったことに気付いたのだけど、その時にはもうすでに唇は離れていたのだった。
「え……?」
「はい、メガネ」
そのままメガネを返されたけど、きっと今の私は顔が真っ赤だろうなと思う。
「さ、カフェ行こうか」
宮栄さんは、やっぱりずるいヒーローだ。メガネに詳しい、メガネ屋さんのヒーロー。
【THE END】


