【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
そう呟く私に視線を向けると、宮栄さんは「僕も、あなたが好きです」と微笑みかける。
「……嬉しい、です」
ハンドルを握りながら、スワンボートでの二人の空間を楽しんだ私たち。
「はい、和音」
「え?」
スワンボートを降りる私に手を差し伸べてくれた宮栄さん。
「はい、手」
「あ……ありがとうございます」
宮栄さんの手を掴むと、宮栄さんは優しく降ろしてくれた。
「さて、喉が渇きましたね」
「え?」
「あそこにあるカフェにでも行きましょうか」
カフェらしき看板を見つけた宮栄さんは、カフェの方を指差した。
「あ、はい」
こんな所にカフェ、あったんだ……。知らなかったなあ。
「あの……宮栄さん」
「ん?」
「……私、今すごく幸せです」
宮栄さんとこうしてデート出来るなんて……幸せでしかない。
「僕も、幸せですよ。……あなたと一緒にいると、楽しい」
そんなことを言われたら……私はもっと幸せだ。幸せすぎるほど、幸せ。
「あの……少しだけぎゅっと、してもらっても、いいですか……」
こんな私の小さなお願いに、宮栄さんは快く「いいですよ」受け入れてくれ、そっと抱きしめてくれた。