新そよ風に乗って ④ 〜焦心〜
世界観が……変わる。
「そうなんですか? 凄く楽しみです」
ニューヨーク。どんな街なんだろう? 
もう1度、夜空を見上げながらよくテレビ等に映るニューヨークの街並みを思い浮かべていた。
「帰るぞ」
「はい」
助手席のドアを開けてくれた高橋さんの傍に駆け寄りながら、心はすでにニューヨークに飛んでいる。
高橋さんと、来月は初めての海外出張で、初めてのニューヨーク。
ああ。今から楽しみだな。準備もしなくちゃいけないし、忙しくなりそう。
「今とは、比べものにならないぐらい寒いぞ」
「そうなんですか? 大変……」
たくさん、着込んで行かなくては。
「きっと、また……」
そう言い掛けた高橋さんが、車のエンジンを掛けた。
「フッ……」
高橋さんが、こちらを見ながら悪戯っぽく笑っている。
「えっ? 何ですか? 高橋さん」
「お前は、きっとまた大荷物なんだろうな」
エッ……。
「高橋さん」
「はい」
うっ。
そんな真面目な表情で返事をされると、何だか面食らってしまう。
「な、なるべく……その……荷物は減らするように頑張ります」
言いながら、途中から自信がなくなってきてしまった。
「フッ……。それでも、普通の人と同じぐらいか、それ以上だろう?」
「もう、高橋さん!」
「牛か?」
「違います」
そんな言い合いをしながらも、出張なのに今からニューヨークに行かれることが嬉しくて仕方がない。でも、きっとそんな私の心も高橋さんは、お見通しなはず。
そして、この私の気持ちも……。

世界観が変わる。
待っていて、ニューヨーク!


新そよ風に乗って 〜焦心〜   完


and……
next volume to be continued……
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「はい? 何? あれだけ出張……行ってて、どれだけ長い時間、ハイブリッジと一緒に居たと思ってるの?」 「うーんと、ウフッ! 何日間だったかな」 「陽子。何、ニコニコしながら言ってるのよ。アンタ、分かってないの?」 「えっ? 何を?」 「そんな、小首傾げてる場合じゃなーい! 同じ部屋に泊まっていたんでしょう?」 「うん」 「仕事中も含めて、24時間。殆ど一緒に居たんでしょう?」 「うん」 「幾らでも、無尽源に、嫌でも一緒に居られたんでしょう?」 「う、うん。まあ……」 「陽子。事の重大性が、分かってなーい!」 事の重大性? ニューヨークの出張から戻った陽子は、お土産を渡そうと会社の帰りにお茶をしながら、まゆみから説教を受けていた。

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