甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「頭も良くて字が綺麗。いつもニコニコしてて,その姿はまるで天使! 女の子は皆揃って釘付けになるの。でも,特定の女の子と仲良くすることは無いんだって,入って来る前から有名よ?」



それが,何が一体どうして……

興奮の引かないもーちゃんの話を,どこか他人事に聞く。



「何か知ってること無いの? あたしもチラッと見たことがあるだけなんだけど……うん,あれはホンモノだったわ。十和くん事,何でも良いから教えてよ!」



ノリノリのもーちゃんは気分が良い。

何か答えてあげたいな……と,ふむと頷いて考えた。

と言っても……別にまだ仲が良いとまでは行かないし……

知ってることなど,ほぼ名前だけみたいなもの。

あぁそうだ,さっき1つ知ったんだった。

もーちゃんも知ってるんだろうけど……

あれだけ視線が集まるんだもん。

きっと周りにいないのは女の子だけじゃない。



「十和,友達いないみたい」



そんなに悪いやつには見えないのに……



「……? ???? えっ……て,はぁぁぁぁあ?!!」

ー何いってんの?!!

もーちゃんと,それからクラスメートの何人かが……

校内を大きく揺らした。

え? 皆,ヒューマンだよね?! 

超能力とか無いよね? 声量で建物って揺れるの? 声っ……大きい!!

こってり怒られて,私の一日は終わった。
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