甘すぎる小悪魔に見つかったなら。


「どうするの?」

「取り敢えず……座る?」

「いいの? 床で。椅子使っても怒られないよ?」

「……ハンカチひきたい?」

「えっ?! 私はいいよ,ほらそれしまって」

「じゃあ……どーしよっかなぁ。何か,聞きたいこととかないの?」

「聞きたいこと?」

「お互いを知るのが先なんじゃないかな。順番に,何でも,どっちかがストップって言うまで」

気になることなら幾つもある。

その中で,更に聞きたいこととなると……

手の中で揺れる水。



「好きな……飲み物?」

「そんなこと? うーんと,コーラ?」

「コーラ? ふふ,何となくココアかと思ってた」

「すごいね,あゆ。それは2番でホットな方。何で飲み物にしたの?」

「何となく。今度遊びにいく時とか,もしかしたら奢ってあげてもいっかなぁって気分になるかもしれないでしょ?」

「いいよそんなの。理苑と玲央也にもね。あゆは?」

「私はいちごみるく。どうして?」

悪戯に笑ってみる。

「持ってきてあげたくなるかもしれないでしょ?」

同じ顔。

ちょっと変えられた言い回し。

少しどきりとする。

「私もいいよそんなの」

好きな食べ物は?

ー……りんご食べたい
ー今?! えーじゃあ私ステーキ食べたい!

好きな本は?

ーあんま読まない

ーそうなの? 意外。あ,あれだ。内容より活字が苦手なんでしょ。今度持ってくるから,少しだけ読んでみてよ

ーあゆがいうなら,どんな長編でも読むよ

そんな風に,幾つもの質問を繰り返す。

お互い笑い枯れたころ,十和は俯いた。
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