溺愛に隠れた嫉妬のホワイトデー(短)



「は?………はあ!?」



俺は「今日一日は休みにする」と一言残して、スタジオを出る。そして急いでマンションに帰った。



バタン



「おい萌々!何だよこれ!どういう事だよ!」

「…あ。見つかっちゃいました…?」

「見つかっちゃいました?じゃねーよ!」



俺がワナワナと震える手で持っている物。

それは――萌々がモデルとして載っている雑誌。



「なんだよ、この”期待の新人モデル”って!」

「わ、私の事です…」



「なんでこんなに可愛い恰好して雑誌に載ってるんだよ!」

「期待の新人モデルだからです…!」



俺がここまで怒っている理由――


それは、萌々が夢乃萌(ゆめのもえ)として、少女・女性向け雑誌にモデルとして掲載されていたからだ。


しかも「期待の新人モデル。ついにデビュー!」となっている。

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