スキがない総長の大胆な溺愛
「な、何もおかしくない…!」



「体が固まるって…ウブすぎ。かわいい」

「っ!」



ふっと笑った蒼羽に、少しだけ胸が高鳴る。

水が満杯に入ったコップの淵を、蒼羽がなぞって水面を揺らすように…

私の心を優しくなぞって、

そして揺さぶっている気がした。



「可愛いなんて…蒼羽らしくない…っ」

「俺がそんな事を言ったら変?」



「変っていうか…もうっ。ドキドキするから……この話は、おしまい」

「はは、残念」



蒼羽は自分の目の端の光る物を拭いながら(さっき笑い過ぎたらしい)、「やっぱり明里はいいね」と呟く。



「何がいいの?」

「明里といると、毎日が楽しいんだよ」



「ケンカしたのに?」
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