スキがない総長の大胆な溺愛
「あ?んな事も分からねーのかよ。蒼羽の女にしちゃ鈍いな」
「わ、私は夜野くんの彼女じゃありません…っ」
どんな状況であろうと、そこだけは勘違いされたら困る!!
そう思って大声で否定したけれど…
「はぁ?今、なんて言った?」
「…っ⁉」
私はどうやら、選択肢を間違えたみたいだった。
「おい、女の言ってる事は本当か?」
「いや、でも確かに蒼羽の部屋から出てきて…」
私を攫った一人が、言い訳をする。
「嵐太さん、きっと蒼羽は来ますから!待ちましょ!」
「……そうだな」
そう言って笑った「嵐太」と言う人。
その人は見た目からして不良で、無駄に大きいサイズの制服を着ていて、髪の毛は金髪だった。
そして顔には人差し指ほどの傷跡がある。消えないような傷跡だ。
それが余計に、恐怖心を煽る。
「(でも…笑ってるから。根っからの悪じゃない…?顔が怖く見えるだけかも…っ)」
そう思った時だった。