ひだまりで誓う桜色の愛
淡いピンクの包装紙にくるまれた、色鮮やかな花束を取り出した。

かすみ草に囲まれた赤とピンクのチューリップが、それぞれ6本ずつ。



「僕と付き合ってください」

「はい、もちろん」



返事をして花束を受け取ると、両目から涙がこぼれ落ちた。



「待たせてごめんね」

「ううん、ありがとう……っ」



指で涙を拭ってもらいながら、あれやこれやと気の早いことを考える。


家族にはいつ報告しようか。

結婚式はお花をふんだんに使った式にする?
前撮りの写真も花畑で撮りたいな。

子供はどんな子が生まれてくるだろう?

沢村くん似なら頭がいい子か、私に似るなら運動が好きな子かな? それか文武両道の子だったりして。


沸騰したお湯みたいにポコポコと浮かんでくるけれど、まずはその前に。



「沢村くん」

「ん?」

「これから先、幸せな人生を歩んでいこうね」



真っ直ぐ目を見て伝えると、優しく微笑んで頷いてくれた。


何十年にも及ぶ、長いようで短い人生。


どんなに高くて分厚い壁が現れても。

歳を重ねて、おじいちゃんおばあちゃんになっても。


手と手を取り合って一緒に生きていこうね。


柔らかな日差しが射し込む桜の木の下で、永遠の愛を誓った。



END
< 142 / 142 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

甘い毒に溺れ堕ちて

総文字数/171,212

恋愛(純愛)374ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ここは地元屈指の名門校。 今年で創立104年を迎え、 多くの卒業生は第一線で活躍しているらしい。 そんな伝統と実績を兼ね揃えた我が校には── 1人、校風を丸無視した人物が在籍している。 「おはよう、真彩ちゃん」 「おはよう、藍くん。今日は早いんだね」 太陽光に反射してきらめく金色。 見た者を一瞬で虜にする愛くるしい笑顔。 彼は校内唯一の染髪者で、 入学当初から手を焼いているクラスメイトでもある。 ・ 面倒見のいい堅物優等生 占部 真彩 うらべ まあや × 甘え上手な金髪問題児 成見 藍 なるみ らん ・ 「手、綺麗だよね」 付き合っていない。けど、手はつなぐ。 「見下ろされるのも悪くないな」 キスはしない。けど、膝枕はする。 連日のように飛んでくる要求に辟易しつつも、 なんだかんだ絆されてしまい、首を縦に振る日々。 不健全とも言い切れない、私たちの関係は── 「どこ行くの?」 「いや、別に……」 「逃げたらどうなるかわかってるよね?」 「このまま、時が止まればいいのにな」 甘く、危うく、どこかほろ苦い。 ・ ・ 偽りの色で染まりかけていた人生を、 君が塗り変えてくれたんだ。 執筆開始 2026/03/31 更新開始 2026/04/26 執筆終了 2026/06/30 完結 2026/07/01
表紙を見る 表紙を閉じる
学校では危険人物扱い。 家では同居人扱い。 心を開ける友人もいなければ、 信頼できる大人すらもいない。 あげくの果てには濡れ衣を着せられ、 バイトをクビになってしまった。 そんな絶望だらけの私の前に現れたのは、 「ならさ、俺の家に来ない?」 誰もが息を呑むほどの麗しい青年へと成長した 初恋の男の子でした。 ・ 物腰柔らかな帰国子女 入江 理貴人 いりえ りきひと × 悪評高い孤独な少女 弓崎 乃蒼 ゆみさき のあ ・ ずっと、愛されてはいけないと思っていた。 幸せになる権利も、生きる資格もないと思っていた。 『やっと会えた。 私のかわいいかわいい──……』 古びたページをめくった瞬間、 あふれんばかりの愛に包まれる。 表紙公開 2026/08/13 執筆期間 2026/08/13〜 更新開始 2026/09/09
聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

総文字数/118,320

恋愛(純愛)243ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
今年で出会って30年。 これは、とある仲良し夫婦の若かりし頃の物語。 ◇ 聖なる夜。 独りよがりだった僕の前に、 真夏の太陽のような眩しいサンタが舞い降りた。 執筆期間 2025/10/01〜2025/12/30 完結公開 2025/12/30

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop