ひだまりで誓う桜色の愛
「どうする？」

「大丈夫。行こう」

「本当に？　無理しなくていいんだよ？」

「してないよ。晴れ間がある時はそこまで酷くはならなかったから。1日中雨ってわけじゃないし、多分今回も大丈夫だと思う」



真っ直ぐ目を見て答えた。


正直、不安はある。

強さはどれくらいなのか、何回降るのかは現時点では当然不明。読みが外れて体調を崩す可能性もなくはない。


だけど……その日は私の片想いに決着がつく日。
沢村くんにとっても、今後の関係を左右する重要な日。


安心して楽しむなら延期のほうが断然いいけれど、わざわざホワイトデーに指定してきたということは、何か考えがあるはず。

私の都合で計画を壊したくないし、それに……先週みたいに、また逃げたくない。


きっとこれは、お天道さまからの試練。受けてやろうじゃないの。



「わかった。引き止めてごめんね」

「ううん。気遣ってくれてありがとう。来週楽しみにしてるね」



不安を隠すように笑顔で別れた後、小走りで父の元へ向かった。
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