とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
それから少しして、ようやく手術室のランプが消えた。


一瞬、ドキッとした。


奥から出てきて、こちらに近づいてくる先生。


足音がどんどん大きくなる。


そして……私の目の前で止まった。


「御家族の方ですか?」


思わず息を飲む。


「は、はい、そうです」


胸が潰れそうになるくらいドキドキしながら先生の第一声を待つ。


数秒間がとても長い。


「旦那さんは……」


息が止まり、唇を噛み締めた。


「もう大丈夫ですよ。心配ありません」


先生の言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた糸がプツンと切れた気がした。


一気にガチガチになっていた体中の力が抜ける。


と、同時に溢れ出す熱い涙。


「あ、あ、ありがとうございます! 先生……本当にありがとうございます」


龍聖君……


龍聖……君……


本当に……良かった。


よく、頑張ったね……
< 199 / 276 >

この作品をシェア

pagetop