とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
お父さんの目は潤んでいた。


きっと、泣くの、我慢してるんだよね。


涼香姉さんに自分の思いを伝えたいと頑張ってる姿を見てたら、私まで泣けてくる。


どうか……姉さんに届いてほしい。


「確かにあの頃は私も必死だった。家族が増えた分の生活費を確保しながら、従業員も少し増えて、色々いっぱいいっぱいだった。自分では涼香と琴音には同じだけ愛情を注いでるつもりだったのに、それはただの自己満足だったのかも知れない」


「パパ……」


「結局、私が……お前のことを苦しめていたんだな。気づかなくて……本当にすまなかった。だけどわかってほしい、涼香のこと、私には誰よりも大切なんだ。お前はかけがえのない存在なんだよ」


「う、嘘よ……」


「嘘なんかつくもんか! お前は、涼香は……私の大切な大切な子どもなんだ。いくつになっても大事な娘なんだよ」


お父さんの心からの訴えに、涼香姉さんの気持ちが少し揺らいだように見えた。
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