とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
タイミング良くホームに入ってきた電車に乗った。


この時間に乗車することはあまりないけど、意外と人が多くて、座れる隙間はどこにも無かった。


ドアの近くに立ち、窓の外に流れる夜の景色を見ていたら、ちょっとずつ頭が回転し出した。


スーツ姿の店長は、今日もすごく素敵だった。


お誘いを受け、食事をして、そして……


私は、綾井店長に告白された。


もちろん、まだ信じられない。


しかも、一目惚れだなんて。


3年間、私のことを想ってくれてたってことなんだよね?


本当……そんなの有り得ない。


店長の周りには私より綺麗な人がたくさんいるのに、その中でどうして私なのか、どう考えてもおかしいよ。


やっぱりからかわれてるのかな?


さっきからずっと、体がふわふわと宙に浮いてるみたいで落ち着かない。


答えは急がないって言ってたけど、だけど結局、絶対に出さないといけないんだよね?


このまま曖昧にしておくことは……できないんだよね。
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