とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「お仕事だったんでしょ? 良かったの?」


「ああ、大丈夫。あの人は、うちの客室部門で課長をしてくれてる。昔から、何人かいる俺の教育係のうちの1人」


高校時代にもスーツ姿の大人が龍聖君の周りにいたことは覚えてるけど、みんな教育係だったのかな。


「青山さん、とても紳士的で素敵な人だね」


「あの人は、人間的にも立派だけど、良い品物を見極めるプロだから。今日は一緒にここで色々勉強させてもらおうと思ってた」


「勉強……?」


「ホテルで使用するタオルやガウン、化粧品に至るまで、お客様には質の良いものを提供したいと思ってる。今でももちろん自信を持ってるけど、どんどん良い物が生まれてくる世の中だから。常にアンテナを張ってないとダメなんだ」


そう語る龍聖君の表情はとても真剣だった。


「ホテル業界って、す、すごい世界だね」
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