とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「大変っていうか、ちょっと資金繰りに苦労してるみたいだけど、でも……うん、お父さん達頑張ってるから。心配しないで」


今度は顔に出さないように気をつけた。


「そっか。高校時代、お前のおじさんとおばさんにはすごくお世話になったから。バスケの練習が終わった後にみんなでご飯をご馳走になったり、おじさんには色々経営のことも教えてもらった。なのに、恩返しができてないし、もし何か俺にできることがあれば言ってほしい。何でもするから」


「ちょっと大袈裟だよ。でも、ありがとう。何だか懐かしくなったよ。工場の横にあるうちの家に集まって、みんなでご飯食べたりしたよね」


「ああ。本当に懐かしい」


「うん。でも、本当に龍聖君に心配してもらう程のことじゃないから。気にしないでね」


完全に強がってしまってる。


でも、これ以上、私の家の問題を聞かせてはいけないと思った。


龍聖君にはやるべきことがたくさんあるんだから。


「あら、琴音じゃない!」


この声、一瞬、体が固まる。
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