とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
高校時代、琴音の笑顔に癒され、裏表の無い性格の良さに惹かれた。


可愛くて、眩しくて、俺が落ち込んだ時も陽だまりみたいな温かさで包んでくれた。


そんな誰にでも優しい彼女。


身も心も琴音の虜になるまでに、そう時間はかからなかった。


バスケという好きなこと、琴音という好きな人、碧や仲間達といる好きな時間……


毎日が充実していた。


本当に、みんなと一緒にいるだけで楽しかった。


そこに琴音がいてくれることで、俺は心から幸せを感じられたんだ。


俺は……まだまだ子どもだった。


このままずっと一緒にいられるような感覚に陥って、でも、無常にも時は経ち、進路は別れ……就職も別々になった。


離れてもなお、どんどん膨らむ彼女への想い。


琴音の幸せを考えれば、俺の「想い」なんか必要ないと、自分の気持ちを押し殺した。


必死で彼女を忘れようと努力したんだ。
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