とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
なのに全てが終わった後、素直に琴音を追うことができず、自分の気持ちも言えないまま別れることになり、そのつらさを痛感した。


ただ琴音を抱いただけで、いったい俺は何をしてるんだ?


そんな思いに押しつぶされそうになった。


だけど、修行中の自分に何ができる?


これから海外で勉強漬けの日々が待っているのに、こんな何もない自分が勢いだけで想いを打ち明けたところで、琴音を幸せにすることができるのか?


あの時の俺は、「こんな男だったのか」とガッカリさせるのが怖かったんだ。


あまりにも自信が無かった。


実際、とてつもなく忙しい3年間。


もちろん、学ぶことは苦では無かったけど、誰かとゆっくり会って話す余裕も無い程に、俺には時間が無かった。


万が一、琴音と付き合っていたとしても、きっと愛想を尽かされ、確実にフラれていただろう。


フラフラ迷ってばかりで本当にダメな男だ、情けない。
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