とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
仕事のことなら何でも決断できるのに。


こんな自分が嫌になる。


もし琴音に好きな人がいるなら諦める。


それが俺のできること。


その時は、友達としてずっと彼女を見守っていくしかないんだ。


でも、もしあのパジャマの相手が彼氏じゃなかったら?


それでもまだ自分が未熟だからって、この先も仕事だけに突っ走って、琴音を諦めるのか?


本当にそれでいいのか?


もう今が最後のチャンスかも知れないのに。


彼女と一緒にいられたらどんなに幸せだろうか。


それは俺の……わがままな願いなのか?


何か、どんな形でも、琴音を守る方法はないのか?


疑問ばかりが俺の頭の中に浮かんでくる。


とにかく、今は考え過ぎるのは止めよう。


1度、冷静にならないとダメだ。


琴音のこと、まだ何も本当のことがわからないんだから。


俺は、勝手に熱くなるこの気持ちを抑え、深呼吸して落ち着かせようとした。
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