幼馴染みの秘めた溺愛 ~お前は女神でヒーローで
ん……何…煙くさい…?
…え…煙…?
寝ぼけた頭とまだ下がらない熱とでボーッとしつつもベッドから起き上がり、部屋のドアを開けると、煙が階段を昇ってきていた。
まさか…火事!?
「お母さん!お母さーん!?」
「美桜ー?上にいるのー!?」
あっ、お母さんいた!
「いるよー!お母さん、早く外に出てー!」
「美桜はー!?」
「階段は無理だからー窓から降りるー!」
「気を付けてよー!お母さん、外で待ってるからねー!」
「わかったー!」
そう大声でのやり取りをした後、まだぼやける頭で自分の逃げる方法を考える。
えっと…えーと…
…あ、カーテン!
朝の会話を思い出し、庭に面した窓のカーテンを開けたのだが…外にはもう火が見えていた。
嘘!じゃあ…ここからは出られない…ってこと…
そこでもう一つの窓に駆け寄る。
こっちは下に用水路があって降りるのは危険だけど…ここにいるよりはマシなはず!
そう思い、窓を開けてみると煙がもうもうとしていて、降りようにも何も見えない。
え…こっちもダメなの……?
待って…これ本当にやばいって……
私…逃げられなくて…死んじゃうの…?
絶望感と熱のせいでフラフラの身体が辛くなり、その場にへたり込んだ。
私…まだ樹王に「好き」って伝えてない…
こんなことなら…早く言っておけば良かった…
この前だって…怖がらずに…心を決めて…大好きな樹王に抱かれれば良かった…
樹王…好きだよ……
ずっと前から…
小さい頃から…樹王が大好きだったよ…
私だけのヒーローだったよ…
樹王……
身体が…だるくて…重いよ…
動けないよ…
「……!」
……?…誰か…私を…呼んでる…?
「美桜!しっかりしろ!」
「…樹王…?」
「そうだ!俺だ!樹王だ!わかるか!?」
「うん…」…あぁ…樹王だ…
「俺が絶対に美桜を助けるから!」
樹王に…言わなきゃ…
「…樹…王……」
「どうした!?」
樹王…好きだよ……樹王……