遊木くんの様子がおかしい

鹿っぽいもんな








今日は体育祭。


私達1組は赤色のハチマキを揃って着けて競技や応援に励んでいる。



私は向こうで盛り上がりまくっている男子集団をチラッと見やる。


そこでは中距離リレーに参加するクラスメイトを大声で応援する遊木くんがいて。

少しだけ頬が緩んだ。



あれから私と遊木くんの変な関係は変わらず、イタズラ好きの彼に翻弄される日々が続いている。


色々考えてたけど、今では彼の言動に意味なんて無いって思うようにしてる。

だって実際そうだもん。


ていうか、意味があったとしても私には分かりかねるわけで。


考えるだけ無駄だな、と。



とにかく今遊木くんと仲良くできてるならそれでいいやってね。




「…あ」




そこで、応援し終わった遊木くんが振り返ったタイミングで私と目が合った。


咄嗟に軽く手を振ると、遊木くんは目をキュッと細めて笑い返してくれた。



……可愛い笑顔だ。


うん、今のままがちょうどいい。




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