遊木くんの様子がおかしい
「じゃあこのへんで別行動しよっか。2人で回って来なよ!」
「あー…そうだね、ありがとう。宇紗子達も楽しんでおいで」
「う、うん! ありがと恵美!」
ニヤッと笑う恵美の肩を押して、さっさと行くように促す。
恵美と翔貴くんが歩いて行くのを見送って、私は「さてと」と切り替える為に声を出した。
「それじゃあ……私達も行こっか!」
「うん」
優しい穏やかな笑顔で頷いてくれる鹿野くん。
私はそれに少しキュンとしながら、少し前を歩き出してくれた鹿野くんを追い掛けた。
ここからは2人きり…。
なんか、やっぱり緊張するな。
男の子と2人で文化祭を回ってるってだけでも緊張するのに。
だって彼は……わざわざ2人で回りたいって私を誘ってくれたんだもの。
色々考えたけど、
あんな風に私を誘ってくれるってことはさ…
やっぱり……そういうこと、だよね…?
そうでなくても、私のこと好意的に思ってくれてるのは確か。
ドッジボールの時はたまたまだけど、体育祭の時とか鹿野くんから声掛けてくれたし。
なんなら、偶然だろうけど借り物競争で私を指名してくれたし。
……これはきっと、自意識過剰とかじゃないよね。
ってことを考えると、余計に緊張しちゃうよぉ……。