死神のマリアージュ

みんなで「乾杯!」

「まー!そろそろ出かけるぞー。したく・・・できてねえじゃん!」
「洗濯物しまってるところ。着替えれば準備完了だよ。ちょうど良かった。はいこれ」と私は言って、畳み終えた忍の洗濯物を手渡した。

「サンキュー」
「・・・(いち)兄ちゃん、そのシャツ私が着たかったんだけど」
「いや聞いてねえし!てかこれは“俺の”シャツだから!俺が“今日着たい”と思ったら、“俺が”着てもいいっしょ?それとも雅希はどーしても、これが着たいのか?」
「ううん。じゃあ忍のでいい。なんか服貸して」
「俺は“のでいい”レベルかっての」
「それよか雅希はもーちょっと自分が着るものに興味持ちなさい!せっかく元が良くて女子力高いほうなのに。もったいねーじゃん」
「霊力の間違いじゃないの」
「ほらそこ、言い合いしない!それからまー、女子の服借りたきゃ女子に言えよ」
「“妹たち”の服は窮屈だもん」
「小・中学生と高校生じゃ体型が違うからなあ。母さんはもう仕事に出かけたし。今家にいるのは、(みお)おばさんとー」
「澪おばさんは私以上に着るものには無頓着だからダメ」「だよな」と言ってるところで、父さんと新叔父さんと千広おばさんが来た。
千広おばさんは新叔父さんの妻だ。
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