死神のマリアージュ

人が薄く視える

「楽しかったね」
「おうっ。まーも気分悪くなることなかったしな」
「よるちゃんちは良い気だもん。部屋中キラキラの粉が降ってた」

たまに私は、物がキラキラ輝いて視えたり、部屋(空間)にキラキラした粉みたいなものが降っているのを視ることがある。
そのキラキラ(している粉)の正体は、純粋な高い波動だ。
「キラキラ」には、その場を浄化してくれる作用もあるみたいで、キラキラしている部屋にいると、私は絶対と言っていい確率で、気分が悪くなることはない(ただし人が少ない場所に限るけど)。

「忍はキラキラ視えた?」
「うんや。俺は視たことない。けど確かによるんちは良い気だったなー。たぶん場所(家)だけじゃなくて、長峰家の人たちを護ってる“存在”も大きいと思う。ご先祖様だけじゃなくてもっと強力な。ありゃあ何の神様だろうなぁ?七福神の・・大黒天か布袋さんか、もしくは座敷わらしか」
「個人的には座敷わらしがいい」
「“個人的には”とか、“がいい”って、それまーの願望じゃん!」と言う忍を私は無視して「それによるちゃんちには妖精もいる」と言った。
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