死神のマリアージュ
「は。なぜにそうなる」
「だって、絵とか漫画のことを話すときの忍はカッコよく見えるもん」
「俺は言い寄ってくる女子どもに、絵とか漫画のことは話したことないけどー?」
「好きなことに打ち込んでるときの人はみんな、カッコよく見えるからね」
「俺とまーの論じてる点がビミョーにズレてるじゃん!」
「いつもどおりの雅希で俺はホッとした」
「そこはホッとするとこじゃないってのっ」

忍と界人と私、三人のやりとりを見聞きしていた真珠が、ニコニコしながら「なんか、いいよね。私は好きだなあ、“私が見えてる私の日常風景”が。とっても幸せ」と言った。

「佐渡真珠女史の意見に、私も地獄賛成・賛同します」
「あ~あ、もう昼休みが終わるって今日も激早っ」
「そろそろ教室に戻りますか」「はーい」「しゃあねえけど」
「今日もいい天気だねぇ。のどかで」
「午後の授業がまだありますが」
「“嗚呼、きよみ女史によって現実に引き度された“の巻~」
「何それ。新しい漫画のタイトル?」「んなわけないっしょ!」

そうして私たちみんなそれぞれ会話をしながら教室に戻っている道中で、界人が私を呼んだことで、自然に私たちは二人並んで歩く形になった。
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