死神のマリアージュ

「ただいま」「お邪魔します」

私の誕生日を聞いた途端、「マジ!?」と聞く界人に、私は頷いて応えた。

「俺たち誕生日同じなんだー。すっげー嬉しいなぁ!あ、雅希は何時ごろ生まれたか知ってる?」
「11時台くらいだったかな、午前の。分までは覚えてない」
「俺は真夜中の12時台に生まれたんだって。だから24日になってすぐっていうか、間もなくってところだから、俺のほうがおまえより少しだけ年上だなっ」
「界人は自分が年上のほうがいいの」
「どっちでも嬉しい」「あ、そう」
「じゃあさ、雅希もやっぱ俺みたく、友だち呼んで誕生会したことないだろ」
「ない」
「やっぱり!?そして家族でクリスマスを兼ねて誕生日を祝うってパターンじゃね?」
「そうだね。私の誕生日はお母さんの命日でもあるから、お祝い自体はあんまり盛大にしないっていうか・・どうしたの、界人」
「え。いや・・今おまえ、“お母さんの命日”って言った?」
「うん。12月24日はお母さんが亡くなった日でもあるんだ」
「あ・・・ごめん。俺・・」
「界人は知らなかったんだから。むしろ私のほうが謝らないと。ごめんね界人。余計な気を使わせて」

やっぱり。思ったとおりの反応だった。
「自分の誕生日がお母さんの命日でもある」なんて言われたら、どう言ったらいいか分からないだろうし(とっさに言葉が出てこないと思う)、どういう態度で接したらいいのか、界人じゃなくても戸惑うよね。
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