死神のマリアージュ
「スーパー、八百屋、高級果物店。心当たりのところは全部行ったし、飛鳥兄ちゃんにも聞いてみたけど、“白桃はまだない”って言われてさ。だから今日は缶詰で。ごめんな」
「ううん。嬉しい。界人、ありがとう。食べてもいい?」
「もちろん!おまえ用に持ってきたんだし」
「界人も食べるよね?」
「うん」
「じゃ、界人はここで待ってて」と私は言って、桃の缶詰を持ってキッチンへ行った。

缶詰を開けた私は、まず半分に切られている白桃を取り出した。
それを8等分に切る。
これで白桃は、フォークに突き刺して一口で食べることができる。
本物(生)の白桃だと、皮をむくことから始まって、種を取り除いたりする作業がある分、缶詰は手軽だ。
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