死神のマリアージュ
「こっちこっち~・・あーっ!おまえはさっきのハンドボール野郎!」
「すいませーん!今そっちに蹴り直します~!」
「おい、おまえ、今わざと俺の腕めがけてボール蹴っただろ」
「は?言いがかりつけんなよ。でも・・・」

「ねえ、なんかあそこ、ヤバくない?」
「殴り合いのケンカ勃発!?」
「・・・にはならなかったね。良かった」

今の界人だったらたぶん、あの男子をボッコボコに打ち負かしてただろう。
距離は離れているにもかかわらず、相手を圧倒的に威圧し、屈服させる強さを界人から感じ取っていたから、万が一殴り合いのケンカになっても、界人は無傷で済んだに違いない。
つまり、「相手が大怪我負わなくて良かった」という意味で、私は「うん」と同意した。









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