先生の一途な愛情
息継ぎのように、好きだと呟き私の唇を愛おしそうに何度も塞ぐ。今日こそは必ず伝えると決めていたのに、私の言葉はなかなか出そうにない。
あんなに恐怖感のあった愛情が、嬉しくて、熱くて、私まで熱を出してしまいそうだ。
息継ぎのような好きを受け入れるように、何度も唇を重ねる。息を荒げる伊織くんの胸を押して、止める。
「伊織くん、聞いて」
「何ですか」
「最初はね、どうして私なんかって思ってたし、先生っていう肩書きで伊織くんのこと好きになってた」
「知ってます、それでも良いと思って僕は職業をわざと言ったんです。ルミちゃんは、先生に弱いって知ってたから」
意外な伊織くんからの告白に、したり顔の兄を思い浮かべた。余計なことを言ったな。
「でも、伊織くんとデートを重ねるたびに、伊織くんの優しすぎる愛情に絆されちゃったみたい」
この言い方はずるいな。まるで、伊織くんのせいで私が好きになったみたいだ。
そう思って言い直す。熱で潤んだ瞳をした伊織くんの頬に両手を添える。
「伊織くんの優しい愛情のおかげで、気づけたの。肩書きだけじゃなくて、伊織くんが好きだよ私。だから」
ぜーはーと肩で呼吸する伊織くんの頭を撫でて、軽いキスを落とす。
「早く治して、恋人としてデート行こうね」
伊織くんが嬉しそうにもう一度キスをするから目を閉じて、身を任せる。抱きしめた体は、熱のせいなのか。愛のせいなのか。
やけに熱くて、心が焦げつきそうだった。
<了>


