大変恐縮ではありますが、イケメン執事様と同居させていただいております。
予想外の言葉に、私は耳を疑った。


「……父?聖司くんのお父さん……?」


聖司くんは両腕で顔を隠しながら、ぽつぽつと話し始めた。


「……俺は、いわゆる愛人の子ってやつで……生まれたころから、俺の家族は母と祖母だけでした。中学で進路を決める時、たまたま父が俳優の明塚幸徳であることを知って」

「……!」

明塚幸徳。

私でも知ってる有名なハリウッド俳優だ。

「一度知ってしまったら、会ってみたくなりました。どうやったら自然に会えるのか、考えて……明塚幸徳が、去年の学園長主催のパーティーに出席した記録があったことを知りました」

「そのパーティーって……最優秀ペアだけが出席できるっていう……?」

「……そうです」


お父さんに会うため……。

そのために、聖司くんはいつも必死だったんだ。

明塚幸徳……

明塚、幸徳?


「……感動の再会とか、そんなのは期待してないです。なにせ愛人の子ですから。ただ、生で見てみたいんです。自分の父親がどんな人間なのか」

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