声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「イ? ん?」

 私は最後の伸ばす発音を伝えるために両手で握りこぶしをくっつけて、一生懸命両手を広げて伸ばすことを伝えました。

「ん? ああ! 伸ばすのか! リー!! ローゼマリー!!」

 私は伝わったことが嬉しくて自然を笑みがこぼれました。
 そしてラルス様は私の頬に手をあてると、にっこりと笑ってこう言われました。

「ようこそ、ヴィルフェルト家へ。ローゼマリー」
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