声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「ローゼマリー!!」
「(お兄さま)」
「怪我はなかったか?!」
「(はい、大丈夫です)」

 お兄さまに続き、お父さまとクリスタさんも玄関に出てお迎えに来てくださいます。
 皆さんにご心配をおかけしたようで申し訳ございません。

 どうやら私を襲った方は貿易業がうまくいかなくなったことを、同じく海洋業で栄えていたヴィルフェルト家のせいだと逆恨みして今回の犯行に及んだそうです。
 王族の皆さまは隣国の国王より今回の一件で、警備の甘さを責められたそうです。

 オリヴィエ王子にはきちんとお礼が伝えられませんでしたので、あとでお手紙をお送りできないか、お父さまに相談してみましょう。

 そう思いながら私は明日のお茶会に備えて休むことにしました──
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